WORKS

脊梁のいえ

Nara. 09.2024

敷地は奈良市東部、若草山麓の自然豊かな環境に位置し、切妻屋根の形態規制が求められる地域に建つ住まいである。三方を道路に囲まれ、歩くたびに地形の見え方が変わる特徴を活かし、軒高を一定に保ちながら勾配が連続的に変化する屋根を設計した。屋根の高さ操作により、平屋でありながら部分的に2層分の空間を確保し、内部に開放感と適切なスケールを生み出している。構造にはスチールFBを用いたシンプルな棟梁形式を採用し、大スパンと一体的な大空間を実現した。外周の化粧柱・垂れ壁は、水平力分担と大屋根の変形制御に寄与するとともに、土間・軒下・庭を断面的に連続させ、内外の拡張性と時間的可変性を担保する設計である。

設計
建築設計事務所SAI工房 / 斉藤智士
構造
株式会社DIX / 辻拓也
施工
株式会社アルフレンテ
撮影
山内 紀人
設計期間
2023年5月〜2024年3月
施工期間
2024年3月〜2024年9月
延床面積
119.30㎡